レアメタルは、特殊な能力を持っています。
また、レアメタルのうち、スカンジウム、イットリウムなどの17元素は、「希土類元素」(レアアース)と呼ばれます。
そして、「希土類元素」の活用によって、それまでのカラーテレビに比べ、格段に色が美しくなったのです。
団塊の世代、中年以上の人たちは知っている、カラーテレビ「キドカラー」は、この「希土類(キドルイ)」を使って、輝く度合いの高い「輝度(キド)」とも掛け合わせて商品名にした言葉です。
ブラウン管の前面にあるガラス部分の蛍光体において、99.99%以上という高純度の「イットリウム」と「バナジウム」の酸化物に「ユウロピウム」を添付して使用することで、それまでに比べて格段に美しい赤色が出せるようになりました。
カラーテレビ「キドカラー」の開発は、「鮮やかな色のカラーテレビを1964年の東京オリンピックまでに間に合わせたい」という狙いがありました。
開発担当者は、幾度となく当時研究が進んでいたアメリカに足を運び、とくに「イットリウム」「ユウロピウム」について、研究を重ねました。
その結果、カラーテレビ「キドカラー」1962年に完成し、1964年の東京オリンピックに間に合わせることができました。
「キドカラーは”木戸さん”という人が開発した」と考える人がいますが、そうではないのですね。