1992年にケ小平は、かつて次のように言った。
「中東に石油があるが、中国にはレアアースがある。」
2010年のレアアース産出量は、中国が130トン、97%を占めていた。
その後、オーストラリア・アメリカ・ロシアなどで産出量が増え、2016年のレアアース産出量は、中国が105トン、83%となった。
中国が高い価格競争力を武器にレアアースをほぼ独占しているため、いまなお、中国への依存度の高さが安定供給における懸念材料となっている。
中国はレアアース・レアメタルの輸出を奨励していたが、2007年ごろから「資源量の急減回避や環境保護」を主張して、国内産業への供給を優先する方針となった。
レアアースに高い関税をかけるなど輸出規制を行い、輸出量を抑制し始めた。
2010年に、中国は輸出許可枠を40%削減し、2011年上半期にも35%削減した。
2012年日本・アメリカ・EUは、中国の輸出規制についてWTOに紛争解決を要請する事態となり、WTOは中国に是正勧告を行った。
中国は輸出だけでなく、生産枠を設定し、国内の資源管理も強化した。
圧倒的な輸出量を誇る中国が輸出規制をしたことで、一時的な値上がりを見込んだ投機の対象になるなど、価格が高騰する弊害も生じた。
2011年上半期のレアアース17元素の平均価格は年初から3倍に上昇し、種類によっては10倍近くになった。